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特集記事

偽のセキュリティ警告にご注意

偽の警告画面で金銭を騙し取る

最近、実際にはウイルスに感染していないのに、「ウイルスに感染しています」などと書かれた警告画面を表示し、金銭をだまし取る【サポート詐欺】が流行しています。
2023年は900万件以上のサポート詐欺サイトの検知・ブロックが発生していたことが、トレンドマイクロの調査で発表されています。
では、サポート詐欺とは、どのような仕組みで金銭をだまし取ろうとしているのでしょうか。

サポート詐欺の手口

サポート詐欺は、どのような手口で私達の金銭を奪おうとするのでしょうか?

不正なサポートへの誘導

有名な手口としては、サイトを閲覧中に突然「ウイルスに感染している」といった内容の偽の警告画面を出し、解決手段としてサポートへのアクセスを誘導するというものがあります。
実際にはウイルスに感染しているのではなく、広告画面を警告のように表示しているだけであり、サポートからの助けは必要がありません。

このような偽の警告画面を出す広告はアダルトサイトなどの特定のサイトだけではなく、個人ブログやSNSなど、さまざまなサイトで表示される可能性があります。

対象者のパソコンを遠隔操作する

上記の手口でサポートへ誘導後は、「トラブルの解決のためにこちらでの操作が必要」などの理由で、業者側がパソコンを遠隔操作できるようにソフトやアプリのインストールを提案します。
遠隔操作に必要なソフトやアプリをインストールしてしまうと、あなたのパソコンを業者側が自由に操作できるようになり、パソコンの中に保存している情報を盗まれたり改変されたりする可能性もあります。
また、インストールされたソフトにウイルスが仕込まれているかもしれませんし、サポート後にも知らない間に不正に遠隔操作されてしまうかもしれません。

金銭の要求やシステムの不正改変

遠隔操作が可能な状態まで進めたあとは、発生していない問題解決のためのサポート料金や、本来は必要のないセキュリティソフトの導入などを理由とした支払いを要求してきます。
すぐに近くのコンビニでギフトカードを購入させたり、遠隔操作をしながらネットバンキングを開かせ、提示した金額以上の金銭を振り込ませるなどの手口も確認されています。

サポート詐欺の対処法

偽の警告画面が表示されたら

警告画面が表示された場合は、まずその表示があなたが利用しているセキュリティソフトによる本当の警告画面かどうかを判断する必要があります。
利用しているセキュリティソフトとは異なる場合は、無視してそのまま画面を閉じましょう。
画面が閉じられない場合は、タスクマネージャーからの操作や、全画面表示の解除などを試してみてください。

もしも利用しているセキュリティソフトを名乗った警告画面が表示された場合は、本当にウイルスに感染している可能性もあるため、かならず公式のサポート窓口へ問い合わせましょう。
問い合わせは、画面に表示されているURLや連絡先ではなく、別の方法で公式サイトにアクセスし、そこで案内されている窓口で行いましょう。

もしも被害にあってしまった場合は

突然表示された警告画面に従ってしまった場合は、状況に合わせて必要な対処を行いましょう。

■表示されている連絡先へ電話してしまった
→電話番号は伝わっていますが、ここで折り返しがかかってきても無視しておけば、これ以上の被害は防げます。連絡が来ても応答しないようにしましょう。

■支払いや契約後に詐欺であると気づいた
→すでに金銭的な被害が発生している可能性がある場合は、最寄りの警察へ相談しましょう。

■ソフトやアプリのインストールや、遠隔操作を許可してしまった
→インストールしたソフトやアプリをそのままにしておくと、知らない間に操作され、情報を盗まれる可能性があります。
ネット回線を切断した後に指示されてインストールしたソフトやアプリをすべて削除しましょう。
また、ウイルスに感染している可能性もあるため、ウイルスチェックを必ず行いましょう。

■口座番号やクレジットカードなどの情報を入力してしまった
→ご利用の銀行、クレジットカード会社へ早急に連絡し、案内に沿って対応を進めていきましょう。金銭的な被害が発生した場合は、警察への連絡も忘れないように。

また、アカウントIDやパスワードを伝えてしまった場合は、すぐにパスワードを変更し、不正ログインを防ぎましょう。

サポート詐欺から守るためには

詐欺被害にあわないためには、

・不審な警告画面が出たら閉じる
・セキュリティソフトを導入する
・自身で導入したセキュリティソフトを名乗る警告画面が表示されたら、まずは公式サイトへ問い合わせる(表示されている場所には連絡しない)
・OSやセキュリティソフトは常に最新の状態に保つ
・遠隔操作の権利を求められても、安易に許可を出さない

スマートフォンでも要注意

サポート詐欺はパソコン利用者の被害が多いですが、スマートフォンでも同じような偽の警告画面が表示される可能性もあります。
「スマホだから大丈夫」とは考えないようにしましょう。

最後に

サポート詐欺の手口は巧妙で、誰でも騙されてしまう可能性があるので、被害を受けた人を責めないようにしましょう。
責めるのではなく、同じ被害にあわないための対策を行うことが大切です。
警告画面が表示されても、まずは慌てずに表示されている内容を確認しましょう。
内容を確認しても偽の警告かどうか判断できないなどの不安な場合や、表示されている内容を理解するのが難しいと感じた場合は、一人で抱え込まずに、身近な人へ相談したり、公式サイトへ問い合わせたりしてみましょう。