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特集記事

パスワードがいらなくなる?【パスキー】について

常に狙われているパスワード

さまざまなサービスを利用する際に、第三者による悪用を防ぐために使われるパスワードですが、悪意ある人々は偽サイトやスパムメール、フィッシングメールを使ってパスワードを盗もうとしてきます。
一度パスワードを盗まれてしまうと、変更手続きをするまでの間、自分のアカウントを悪用されてしまう可能性があり、パスワードの漏洩は大きな損害をもたらしてしまうことがあります。
不正ログインを防ぐために二段階認証などの機能もありますが、このような機能も偽サイトへのログインを促すなどの方法で突破されてしまう場合もあります。

パスワードに代わる【パスキー】とはどういう機能なのか

今回のタイトルにも記載されている「パスキー」。
これは、今まで毎回設定していたパスワードが不要になる、新しいセキュリティ機能です。

パスワードを設定する必要が無い

パスキーでログインする場合はパスワードの入力が不要になり、代わりにパソコンやスマートフォン端末での生体認証が必要となります。
生体認証を使用するため、新しいアカウントやサービスを利用する際に毎回パスワードを作成する必要がなく、複数のパスワードを覚えておいたり、すべてのパスワードを記録しておく必要もなくなります。

パスワードを設定しないため、漏洩もしない

パスキーはパスワードの設定や入力が不要なシステムです。
そのため、今までのようにどこかに記録しておいたパスワードを引用してログインするという流れはなくなります。パスワードを設定しないということは、どこかに記録する必要もないため、ログインに必要なワードが漏洩して不正アクセスされる心配もありません。

複数端末での同期が可能

パスキーは、AppleID/Googleアカウント/Microsoftアカウントにそれぞれ紐付けられるため、同じIDを使っていれば、別の端末でもパスキーを利用してログインすることができます。
別の端末からログインする際に、新たに生体認証の設定をする必要もないため、スムーズにログインすることができるようになります。

パスキーのメリット・デメリット

では、パスキーを利用することについてのメリットとデメリットにはどのようなものがあるでしょうか。

■メリット
・アカウント作成時のパスワード作成・設定が不要になる
・パスワードの作成・設定をしないため、パスワードが漏洩することがない
・各アカウントやサイトに設定した、複数のパスワードを記録する必要がなくなる
・端末による生体認証のみでログインが可能

■デメリット
・新しい技術のため、利用できるサイトがまだあまり多くない
・生体認証が必須のため、カメラや指紋認証の機能を持ったスマホやパソコンが必要
・アカウントを超えたパスキーの同期はできないため、ログインIDごとに生体認証設定が必要になる

まだすべてのサイトで利用できる技術ではないため、しばらくはパスワードや二段階認証を使い分ける必要があります。

最後に

今後は利用者が増えると思われるパスキーですが、すべてのサイトで利用できるようになるには時間がかかります。
安全性が高いからとパスキーにすべて変更しようとすると、利用できなくなってしまうサイトや端末があるかもしれませんので、自身の端末や利用しているサイトがパスキーに対応しているかの確認を忘れないようにしましょう。