【ネット詐欺】と大きくまとめた表現をしていますが、金銭や情報をだまし取ろうとする手段は多岐にわたります。
一部ではありますが、それぞれどのように行われているかについて詳しく見ていきましょう。
海外の事例にはなりますが、すでにワクチン摂取記録カードなどを発行している国では、カードの画像や情報を投稿しないようにと国が呼びかけています。
ワクチン接種記録カードに記載されている情報から、個人情報が盗まれてしまう可能性があり、その情報で詐欺行為が行われる場合もあるからです。
また、カードに記載されている項目を公開することで、カードの偽造を考えている人に情報を渡してしまうことになります。
SNSやマッチングアプリで知り合い、結婚を前提としたお付き合いをしている中で、金銭を騙し取られてしまうのがロマンス詐欺です。
他の詐欺とは異なり、ある程度の時間をかけて信頼関係を築き、二人の未来のために今から投資を始めようという投資話や、荷物を送るので配送料を建て替えてほしいなど、さまざまな理由で金銭を求めてきます。
一緒に未来をつくろうと考えている相手のため、ちょっとした違和感などに気づきにくく、被害額も高くなる傾向にあるようです。
信頼していた相手に騙されるので、金銭的だけではなく、精神的にも大きなダメージが残ります。
過去のセクストーション詐欺は、「あなたのパソコンに不正アクセスして、アダルトサイトを見ている姿を撮影した。拡散されたくなければこちらが指定した額を振り込め」といった内容でしたが、最近では出会い系サイトが利用された手段が発見されています。
まずは出会い系サイトで詐欺対象となる人物と知り合い、互いに性的な動画を交換しようと持ちかけ、その際に利用するウェブサイトやアプリを指定します。
動画が送られると、「アプリを利用して個人情報を入手した。金銭を払わなければアドレス帳に登録している人物に拡散するぞ」などと言って脅迫してくるのです。
本当にアドレス帳などの個人情報が奪われたのかはわからない状況でも、すでに動画を送ってしまっているため、被害にあってしまえば、金銭を支払わなければならないと考える可能性が高くなります。
取引先や会社の上司などになりすまして送金指示メールを出し、企業から金銭をだまし取ることを目的としたビジネスメール詐欺も存在します。
取引先になりすまし、偽の請求書を発行して金銭を振り込ませる方法や、会社の重役になりすまし、振込先を詐欺グループが用意した口座へ変更させるなどの方法が確認されています。
ビジネスメール詐欺の場合、会社上層部の人物から「機密事項」としての送金依頼であったり、本当の取引先とのやり取りの途中で偽のメールが紛れ込むことがあるため、見分けるのが難しい場合があります。