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特集記事

教育機関へのサイバー攻撃について

サイバー攻撃の標的となった教育機関

企業を狙っていたサイバー攻撃者は、近年では教育機関も標的にしており、被害件数も増加傾向にあります。
教育機関には、生徒や教員の個人情報、学校の経営に関する情報など、大切な情報が多く保管されているため、攻撃者にとって狙う価値のある場所だと判断されているのでしょう。

また、教育機関では、専門的な知識を持ったスタッフによる細かいサポートが不足していたり、パソコンを利用している学校関係者のセキュリティ意識が不足していたりするなど、攻撃者にとって【狙いやすい】場所でもあるのです。

教育機関が狙われる理由

脆弱なセキュリティと価値ある情報

教育機関がなぜサイバー攻撃の標的となってしまうのか。
その理由は、重要性の高い情報が保管されている場所でありながら、セキュリティ対策が万全ではなく、脆弱な場合が多いからです。
セキュリティが脆弱な理由としては、以下が考えられます。

■専門スタッフと予算が不足している
専門知識を持ったスタッフが常駐していることが少なく、また学内セキュリティを強化するための予算が不足しているため、セキュリティが脆弱なままで改善されていない

■生徒・教師のセキュリティ関連の知識が乏しい
デジタル化に伴って、生徒や教師もパソコンを使う機会が増えていますが、ネットセキュリティについての学びが追いついておらず、不審なリンクやデータなどに触れてしまう可能性が高く、自分たちで攻撃者の入る場所を作ってしまうことも。
教育機関には、生徒や教師の個人情報という価値ある情報が保存されています。
さらに、経営や各教育機関・公的機関とのやりとりも保存されている可能性が高いため、
価値ある情報が必ず保管されており、さらにセキュリティ面が脆弱であるわかれば、攻撃者が狙わない理由はないでしょう。

どのような被害が発生するのか

教育機関がサイバー攻撃を受けてしまうと、

・学校運営が停止してしまう
・必要な授業を実施できない
・生徒から提出した論文などの情報が破壊や暗号化の被害に会い、生徒の学習成果が消える
・教員、生徒だけでなく、学校に関連する人々の個人情報が奪われる
・大学などで行われている研究活動も継続不能になってしまう

など、かなり深刻な被害が発生することが予想されます。

教育機関が情報を守るには

では、サイバー攻撃者から情報を守るためには、どのような手段が必要なのでしょうか。
基本的には、【セキュリティ構築に予算を準備し、専門スタッフやセキュリティソフトの活用を行う】という点が最優先となるでしょう。
さらに、

■個人向けセキュリティソフトではなく、集中管理用に設計されている企業用ソフトで対策する

■生徒だけでなく、教員、事務員すべての関係者がネットセキュリティについて学び、定期的に知識のアップグレードを行う

■授業や業務で使用するパソコンについて、利用時のセキュリティレベルを上げる

など、一部の教師や機材だけではなく、学校全体での対策が必要です。

最後に

デジタル化が進むことによって、さまざまな部分で便利になることが多くなりますが、サイバー攻撃者に狙われる可能性も高くなります。
そのため、利用する人全員が最低限の知識を持っていなければ、大切な情報が常に危険にさらされてしまいます。

学校には個人情報や研究情報など、価値の高い情報が大量にあることを理解し、先生だけではなく、生徒も事務職員も、全員が正しい知識を持ち、対策する必要があると認識することが大切です。