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特集記事

クラウドファンディングの募金詐欺に注意!

クラウドファンディングを利用した詐欺とは

クラウドファンディングには、企業が起案者となる「株式投資型」や、支援者への見返りのない「募金型」、サービスや商品を購入する「購入型」など、目的と企業者によってさまざま形があります。

しかし、支援者から集められた資金が目的のために利用されることなく持ち逃げされてしまったり、説明された商品とは異なるものが届けられる場合などがあります。
こういった、みなさんの「支援したい」という思いを利用し、金銭を集めることだけを目的とした詐欺行為がクラウドファンディングに紛れ込んでいるのです。

募金型の詐欺はどのようなものがあるのか

募金型のクラウドファンディングとは、支援者への見返りが必要のないネット上の「募金箱」のようなものです。

すでに亡くなっているペットの治療費を募集

過去に行われていた募金型の詐欺には、「病気のペットの治療費」を求めるものがありました。
こちらはペットの写真とともに、「現在病気にかかっており、高額な治療費が必要」との説明がされ、治療のための資金を募集するためのものでした。
たくさんの人からの支援により、目標金額に達成したものの、治療中と思われるペットや領収書などの写真が過去に撮影されたものしか投稿されていないことが判明しました。
調査の結果、すでにペットは亡くなっており、飼い主は募金をだまし取ろうとしたため逮捕されました。

被災者に使われることのない支援金

実際に発生した自然災害で、被害を受けた方々を支援する目的で開始された場合は、集まった資金は被災者支援のために使われるはずです。
しかし、集められた資金がどのように使用されたかも不明なまま、プロジェクトが終わってしまうこともあります。
資金を1円も被災者支援のために使わずに、自分のものにすることもできます。
クラウドファンディングの場合、起案者からの報告でしか資金の利用状況が把握できないため、実際はどのように使われているのかを支援者は把握しにくいという面もあります。

購入型の詐欺はどのように行われるのか

購入型は、起案者が提供するサービスや商品を購入するという形で支援するため、支援者には商品やサービスが提供されることが前提となっています。

開発が突然中止され、商品が届かない

購入型のクラウドファンディングでは、開発・生産された商品が最終的に支援者の手元に届くようになっていますが、どうしてもうまくいかなかった場合、開発が中止されることもあります。
中止された場合、返金などが行われることもありますが、クラウドファンディングには返金の義務はないため、開発が突然中止され、それまでに集められた資金はすべて起案者の手に渡り、支援者には返金も商品の提供も行われないという場合もあります。

説明された商品と違うものが届く

開発・生産される商品の説明を見て、魅力を感じて支援したものの、手元に届いた商品がまるで違うものだった…という場合もあります。
実際に、素材が違っていたり、説明にあった機能が搭載されていなかったりということや、中には特別冊子が届けられるという説明をしておきながら、届いたのはweb版の情報商材だったということもあったようです。

詐欺被害にあわないためには

クラウドファンディングに紛れ込んでいる詐欺を見抜くのは、かなり難しいことです。
私たちが被害にあわないためには、小さなずれを見つけ出す必要があります。
たとえば、治療費を集めている場合は、掲載されている情報が最新のものであるかどうかが判断材料の一つとなります。特定の月日以前の情報しかない場合は、注意が必要です。
また、集めた資金の使い道があいまいなものや、計画にいまいち具体性がないもの、起案者の素性が不明な場合も注意が必要です。

最後に

クラウドファンディングは、誰かの助けになるために、今までなかったものを手に入れるために、たくさんの人が協力してゴールへと向かうサービスです。
決して、支援者の思いを踏みにじって誰かが私腹を肥やすためのものではありません。
支援する際は、企画内容に矛盾や不透明な部分がないかの確認を行いましょう。