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特集記事

還付金詐欺にご用心!

還付金詐欺とは?

特殊詐欺の手口のひとつである還付金詐欺。 そもそも特殊詐欺とは、
電話やメールなどを使って、対面することなく被害者を信頼させ、指定口座への振り込みやカード類・通帳などを窃取することで、金銭をだまし取る犯罪のことです。
その中でも還付金詐欺は公的機関の名前を出しつつ、過払い金や年金の未払金など「被害者が受け取るはずだった金銭」を餌に被害者を誘導する手口です。
誘導されてATMで操作をしてしまうと、金銭を受け取るどころか、詐欺師の口座へ自身の財産を振り込んでしまうことになります。

還付金歳の手口と特徴

どのような手口で被害者を誘導しているのか

①電話で公的機関を名乗る人物から、年金の一部未払金や、医療の過払い金受け取りについて案内される

この案内では、まず電話口の人物が自治体や年金事務所などの”公的機関の職員”を名乗ることで、被害者の信用を得ようとします。

②被害者をATMに誘導して、本人に操作させる

公的機関の職員のふりをして、「未払金や過払い金を受け取る権利があるが、そろそろ期限が切れそうなのですぐにATMで操作してほしい」「操作方法についてはこちらから指示をします」と説明し、被害者に考える時間を与えずに「すぐに指示に従わなければ損をする」と思い込ませてATMへ誘導します。

③金銭を受け取るどころか、詐欺師の口座への振り込みが完了する

ATMまで誘導したあとは、被害者との通話内で各画面での操作方法を伝え、口座への振り込みを完了させます。
被害者本人はこの操作で自信が金銭を受け取ったと勘違いしますが、実際は相手口座への振り込みが完了してしまうのです。

還付金詐欺の特徴

この詐欺の特徴としては、

・電話口の相手が、自治体や年金事務所などの公的機関の職員を名乗る
・「医療の過払い金」「年金の未払金」など、被害者が受け取るべき金銭があるという案内がされる
・「受け取り期限切れが近い」と伝えることで、被害者に考える時間を与えない
・ATMでの操作時は、
「こちらから振り込みますので、”振り込む”のボタンを押してください」
「その画面では今からお伝えする数字を入力してください」
などと親切な職員として操作方法を伝え、被害者本人に操作させることで、任意の口座への振り込みを実行させる

といった点が挙げられます。
これらの特徴から、ATM操作に慣れていない高齢者などが騙されやすい傾向にあります。

被害にあわないためには

私達が還付金詐欺に巻き込まれないためには、

・電話は基本的に留守番電話にしておくことで、かかってきた電話番号を調べたり、残されたメッセージについて考える時間を作る
・「ATMでお金が受け取れる」は詐欺の定型文であると知っておく
・自分で判断できないときは、家族や警察、消費生活センターへ相談する
・公的機関を名乗る人物が現れても、通帳やカード、口座情報を他人に渡さない
・詐欺電話や迷惑電話防止アプリを活用する

といった対策が必要になります。
特に、「ATMでお金が受け取れる」という言葉が出てきたら、この話は詐欺であると判断できるように知っておく必要があります。

もしも被害にあってしまったら

金銭を振り込んだあとに、還付金詐欺にあったと気づいたら、”振り込め詐欺救済法”の手続きをすることで、振り込んだお金を回収できる可能性もある。
ただし、詐欺に利用された口座に残額がなければ返金されないため、気づいたらすぐに行動する必要がある。

最後に

「どうしてそんな電話に騙されるのか」と思う人もいるかも知れないが、公的機関の名前を出されると信じてしまう人も多いのではないでしょうか。

さらに相手は騙すプロ。「自分は騙されない」と思っている人ほど、自分の判断に間違いはないと信じ込んでしまい、被害にあってしまう可能性が高いため、注意が必要です。
トラブルに巻き込まれないためにも、今どのような手口が多いのかを知り、家族や友人など周囲の人とも情報共有するなど、協力しあえる環境をつくりましょう。