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特集記事

2026年に警戒すべき「5つのネット詐欺」

国を超え、進化する詐欺の手口

50歳以上の人々をサポートする組織である非営利団体AARP(全米退職者協会)が発表した今回の詐欺手口には、定年後のセカンドキャリアや人生のパートナーを求めている人をターゲットにしたものなどが取り上げられています。

アメリカで警戒されている詐欺は、あっという間に翻訳され日本でも猛威を振るう可能性があります。
そして日本でも高齢者を狙った詐欺が多いため、自衛のためにこれらの手口を理解しておくことが大切です。

AARPが発表した5つの詐欺手口とは

では、今回警戒するべき手口であると発表された内容を確認していきましょう。

求人詐欺

定年後の仕事を探している人をターゲットにした手口です。
採用の過程で、料金の支払いや個人情報(給与振込のための口座や暗証番号など)の提出を求めたり、仕事に必要な専用機器の購入代金を請求される場合もあります。
怪しい広告に記載されているような求人情報ではなく、実在する企業を騙った求人サイトや広告を通すため、詐欺であると見抜くのに時間がかかることも。

被害回復詐欺

被害にあった人を再び狙うたちの悪い手口です。「失ったお金を取り戻せますよ!」と助けるふりをして、被害者からさらに金銭を奪っていきます。
また、話の信憑性を高めるために、警察官や弁護士などの肩書や偽造された書類を提示して被害者の信用を得ようとします。
調査費用や返金手続きのためと称して金銭を請求されますが、もちろん詐欺なので解決することもお金が返ってくることもありません。
被害者自身が焦りや怒りで冷静に判断できない状況であることも多く、甘い言葉に騙されてしまうのです。

デジタル逮捕詐欺

警察や弁護士、連邦捜査官を騙り、ビデオ通話を使って被害者を拘束する手口です。日本にもニセ警察詐欺と呼ばれる似たような手口があります。

「ビデオ通話を切れば即座に警官を派遣する」、「逃亡の意思ありとみなして逮捕する」などと脅し、数時間から長いときには数日間、カメラの前から動かないように指示を出し、被害者の思考能力を奪っていきます。その後、保釈金や和解金の名目で金銭を要求するパターンです。

「ハロー・パーバード(やあ、変質者さん)」詐欺(脅迫メール)

こちらは、メール件名や本文冒頭に挑発的な文章を記載し、「PCをハッキングし、あなたの恥ずかしい写真や動画を入手した。あなたが登録している連絡先に送られたくなければ金を払え」と脅す手口です。
実際にはハッキングされていないことがほとんどですが、被害者の「誰にも知られたくない」という感情を利用して口止め料として金銭を要求してきます。

ロマンス詐欺

日本でも被害者の多いロマンス詐欺ですが、アメリカでも猛威を振るっています。
詐欺師はネット上で知り合った相手と時間をかけて信頼関係を築き上げ、親しい仲になったと誤解させたあとに投資などに誘って金銭を奪い取っていきます。
ロマンス詐欺の場合、詐欺師は最初から被害者に愛情表現や称賛を惜しみなく与え、警戒心を薄れさせていくことで、金銭をより確実に奪い取っていくのです。

詐欺の手口に騙されないためには

では、このような手口で金銭や個人情報を奪われないためには、どのようなことに気をつければいいのでしょうか?

・詐欺師はまず被害者の感情を揺さぶり、周りから孤立させ、判断能力を鈍らせようとしてきます。周囲との連絡を断つように促された場合などは、一旦やり取りを終わらせましょう。

・会話しているその場では判断や決定をせず、一度離れて考えるようにしましょう。一人だけで考えるのではなく、周りの人や警察に相談するとより安心です

・「自分は騙されない」「そんなもの見破れる」とは考えてはいけません。生成AIも利用されるようになっており、「動画と音声があっても相手が実在するかどうか分からない」という時代になっているのです

最後に

どこの国であっても、詐欺師たちはAIをも駆使して我々の金銭や個人情報を狙ってきます。
「アメリカでの話だから」と他人事として考えるのではなく、「他国で実際に被害が出ている、こちらで広がるのも時間の問題」と危機感を持つことが自衛のために必要です。
ニセ警察詐欺などのように、すでに同じような手口も広がっていることを忘れないようにしましょう。