では、実際にはどのようなものが10大脅威として選ばれているのでしょうか。
企業向けと個人向けの2つが公表されているため、その一部を見ていきましょう。
ランサムウェア、内部不正による情報漏洩、標的型攻撃が10年連続でランクイン
企業向けのランキングでは、ウイルスによる攻撃なども多く含まれていますが、内部不正や不注意による情報流出なども長い期間ランクインしています。
・組織向けのランキング1位はランサム攻撃
ランサム攻撃とは、パソコンやサーバーに感染してデータのロックや暗号化を行い、解除のための金銭を要求する手法です。
最近では、「ノーウェアランサム」と呼ばれる、データの暗号化ではなく、機密情報の公開をちらつかせて金銭を要求するパターンも増えています。
・サプライチェーンや委託先を狙った攻撃が2位
会社のパソコンやサーバーがしっかりとセキュリティ対策を行っている場合、委託先などを経由して狙われる場合もあります。
業務上の関係組織が狙われるため、自社での対策だけでは完全に防ぐことができず、対策が難しい攻撃です。
・不注意による情報漏洩が7年連続8回目
設定ミスによって、本人も知らない間に非公開情報を公開してしまったり、メールに添付するデータを間違ってしまったり、記録媒体を紛失してしまったりといったパターンです。
個人の不注意だけでなく、企業内での情報取扱のルールが明確に設定されていないことで発生してしまう場合もあります。
個人向けでは不正ログインやカードの不正利用がランクイン
・インターネット上のサービスへの不正ログインが10年連続で選ばれる
たびたび話題になっている不正ログインですが、サービス提供側での情報漏洩の場合もあれば、二要素認証の未設定やフィッシング詐欺によるログイン情報の流出など、利用者側での情報漏洩が発生している場合も多いようです。
・クレジットカード情報の不正利用
不正ログインにも関係してくるカード情報の不正利用もランクインしています。
フィッシング詐欺による情報の詐取だけではなく、Webサイトの悪意ある改ざんによって情報が盗まれれてしまう場合もあります。
・ネット上の誹謗・中傷・デマ
誹謗中傷は何度も問題となり、被害者が命を絶ってしまうこともありましたが、いまだになくなることはありません。
デマに関しては、個人や企業への攻撃目的だけではなく、最近では生成AIを悪用し、災害時に余計な混乱を招くような投稿が行われる場合もあります。