一昔前は、日本語に詳しくない他言語圏の人たちが日本語で文章を作成すると、どうしても違和感のある文章になってしまうため、詐欺メールに騙される人も多くはいませんでした。
しかし、生成AIが進化したことにより言語の壁が取り除かれ、違和感のない日本語の文章が生成されるようになることで、「文章に違和感がないから問題ない」と騙される人が多くなり、日本が狙われやすくなってしまっているのです。
■高値で取引される日本人の個人情報
生成AIで作成した文章で騙される人が多くなるのであれば、日本人は狙いやすいターゲットであると判断され、ダークウェブなどでは日本人の個人情報が高値で取引されているようです。
■『CoGUI』の存在
最近では、フィッシング詐欺を簡単に行えるツールのセットである『CoGUI』が広がりを見せています。
CoGUIは、ブラウザやセキュリティツールの検知を回避できるような高度な技術を搭載しており、日本をターゲットにした攻撃で脅威となっています。
フィッシング詐欺によって個人情報が抜かれたことで、証券口座の不正取引の増加も確認されています。
証券口座の場合、出金先の口座変更などは簡単には行えないように制限されており、直接現金を引き出すことは容易ではありません。
しかし、不正に乗っ取ったアカウントで株取引を行うことで、詐欺師たちが持ってる株の価格を不自然に上昇させ、高騰している間に株を売り払って不当な利益を出すという、ポンプ・アンド・ダンプと呼ばれる手法が使われ、詐欺師たちは不当な利益を得ていました。
『CoGUI』というフィッシング詐欺ツールが存在するように、現在は大量のフィッシング詐欺メールが蔓延し、さまざまなパターンの詐欺メールが作られています。
その結果、フィッシング詐欺メールが届く範囲が広がり、今まで受け取ったことのなかった人にまで届くようになることで、被害が拡大する可能性が高くなっています。
また、「詐欺メールは文章がおかしいからすぐわかる」という思い込みを持ってる人も多く、この思い込みも被害拡大につながる点になっています。
現在は生成AIに文章を作成させることで、はっきりと分かる違和感は消えつつあります。
そして、思い込みのある人は正規のメールだと信じてしまい、騙されてしまう危険性が高まるのです。