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特集記事

警視庁発表 AIを悪用した詐欺の被害状況について

AIが詐欺のハードルを下げる

これまでの詐欺は、不自然な日本語や稚拙な偽サイトなど、注意深く見れば見破れるものが少なくありませんでした。しかし、生成AIの登場により、その状況は一変しています。

警察庁への「偽サイト等」に関する報告件数は、令和7年には103万件を超え、5年前と比べて50倍以上に急増しました。
背景には、AIを悪用することで、短時間かつ大量に「本物そっくりの偽サイト」や「自然な勧誘メッセージ」を作成できるようになったことがあります。

さらに、AIを悪用して不正アクセス用プログラムを作成するなど、これまで高度な技術が必要だった犯罪も、容易に実行できるようになっています。

巧妙化する「AI悪用」の具体例

最新の統計や検挙事例からは、AIがどのように悪用されているのかが見えてきます。

フィッシングサイトの作成

大手通販サイトや銀行を装った偽サイトの作成に、AIが利用されています。
実際の検挙事例では、AIに指示を出すだけで高度なプログラムやデザインが生成されており、ITの専門知識がなくても巧妙な偽サイトを作れる状況になっています。

ディープフェイクによる「偽の本人」

著名人の画像や音声をAIで加工し、投資を呼びかける偽広告に悪用するケースも確認されています。
また、実在する児童の画像を悪用した児童ポルノのうち、約2割にAI技術が使用されていたことも報告されています。

対話型AIによる「24時間体制の勧誘」

SNS型投資詐欺やロマンス詐欺では、最初の接触や信頼関係の構築にAIが使われる懸念も高まっています。
AIは疲れることなく、何千人もの相手と同時に自然なやり取りを続けられるためです。

闇バイトとの連鎖

SNS上での「闇バイト」募集の増加も深刻です。
令和7年には、14,000件以上の募集情報が確認されています。
AIが巧妙な犯行マニュアルや指示文を作成し、闇バイトで集められた実行犯がそれに従う、といった「犯罪のシステム化」も進みつつあります。

AI詐欺から身を守るためのセルフチェック

■「公式アプリ」や「ブックマーク」からアクセスする
メールやSNSのリンクは、AIによって本物そっくりに偽装されている可能性があります。
銀行や通販サイトを利用する際は、リンクを直接開かず、必ず公式サイトや正規アプリからアクセスし直しましょう。

■生身の人間かを「別の手段」で確認する
投資の勧誘や金銭の要求があった場合、相手がビデオ通話に映っていても安心はできません。AIによるディープフェイクの可能性もあるためです。
一度通話を切り、自分が知っている連絡先へかけ直すなど、別の手段で本人確認を行うことが重要です。

■「最新技術=安全」という思い込みを捨てる
「最新のAI投資システムだから安心」といった宣伝文句は、今や詐欺の常套手段になっています。「AI搭載」「自動で稼げる」といった言葉に惑わされず、振込先が個人口座ではないかなど、基本的な確認を怠らないようにしてください。
また、「必ず儲かる」とうたう投資話は、AIがどれだけ発達しても現実には存在しません。「うまい話には裏がある」という昔からの教訓は、時代が変わっても変わらないのです。

最後に

AIは私たちの生活を便利にする一方で、犯罪者にとっても強力な道具となっています。
警察庁のデータが示す通り、その被害は今や「誰にでも起こり得る」規模にまで広がっています。
だからこそ、「本物らしいものほど疑う」という意識を持ち、ネット上の情報をうのみにせず、自分自身で確かめる姿勢が重要です。

AIを悪用した手口は、今後さらに巧妙化していくと考えられます。
不審なメッセージや広告を見かけた場合は、一人で判断せず、警察相談専用電話「#9110」などへ相談してください。