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特集記事

日本の詐欺と実態

日本でも多くの人が体験している詐欺

トレンドマイクロの調査では、実は日本の6割の人が詐欺であったり、詐欺かもしれないという体験をしていることが判明しています。
実際に詐欺被害にあっていなくても、かなり多くの人が怪しいなと思う体験をしているようです。
「自分は詐欺を見抜けるから」「今まで被害にあっていないから大丈夫だ」などと考えている人も多いかもしれませんが、詐欺の手口は日々進化しているため、油断は禁物です。

詐欺の種類や手口

日本で多く確認されている詐欺とは

日々技術を悪用することで進化し、多くの人が被害にあっている詐欺の手口ですが、日本では以下4つの詐欺に関する被害が多く確認されています。

【フィッシング詐欺】
この詐欺はかなり昔から存在しており、各企業による対策や注意喚起が行われているにも関わらず、いまだに被害にあう人が後を絶ちません。
なぜなら、公式サイトやメールに擬態する技術が上がり、本物と偽物を見分けることが難しくなっているためです。
場合によっては、請求書に記載された金額を見て初めて詐欺被害に気づくということもあります。

【サポート詐欺】
偽のセキュリティ警告画面の表示などにより、遠隔操作やサポート契約への誘導を行うタイプです。
表示される警告画面は、本物のセキュリティソフトの表示を真似していたり、大手企業のロゴを勝手に掲載することで、利用者の不安を煽ります。
偽のサポート窓口の相手からの説明を信じて遠隔操作の権限を与えてしまうと、どんなセキュリティソフトを利用していても、すべて相手の思うがままに操作される状態になってしまいます。

【ロマンス詐欺】
被害者の恋愛感情を利用したもので、こちらも昔から存在している手口です。
昔は、「写真しか見せてくれない」「通話したことがない」といった点で、詐欺を見分けることもできましたが、最近は生成AIによって架空の人物の写真だけではなく、動画を作ることも可能になりました。
さらに、AI技術の進歩により、会話や動画の不自然な点も少なくなっているため、見抜くのがより困難になっています。

【特殊詐欺】
特殊詐欺は警察などになりすまし、カードの不正利用や家族の事故を捏造し、金銭やクレジットカードをだまし取るものです。
こちらは、AIによる顔や音声の合成を行う”ディープフェイク技術”を悪用することにより、警察官などになりすまして、より真実味を出すことができるようになっています。

詐欺被害を防ぐためには

基本的な対策は必須

巧妙化の進む詐欺ですが、私たちが被害にあわないためには、

■今すぐの判断を求められても、その場で返事をしない ■個人情報やクレジットカードを他人に渡さない
■メールに記載されているリンクは疑う
■セキュリティアプリやソフトを活用する


といった、基本的な対策をまずは必ず行いましょう。
事件や事故に関して警察官や弁護士を名乗る人物から連絡が届いても、その場で金銭の支払いなどを求めるものは、すべて詐欺だということを覚えておきましょう。

また、少しでも不安に思ったり、なにか怪しいと思った場合は、家族や友人、信頼できる人物や警察へ相談しましょう。
誰かに話すことで、自分では気づけなかった点に気づくことができるかもしれません。

最後に

詐欺師たちは金銭を得るために、あなたを本気で騙すために動いています。
そのため、「見抜けないはずがない」「自分は騙されない」などと考えていると、もしものときに被害に気づくことが遅れてしまうかもしれません。

生成AIなどの技術が進歩したことによって、今では存在しない人物の写真だけではなく、動画や音声すらも作ることがが可能になりました。
被害にあわないためにも、今どのような手口が広がっているのか、もしも同じようなことが起きた場合はどうすればいいのか、最新の情報を知ることで今できる対策を行っていきましょう。