大人だけではない、子供にも広がるネット依存症
現在高校生のA君は、中学生の頃にオンラインゲームと出会い、生活の全てがゲーム優先になるほど熱中していきました。
やがて学校にも通わなくなり、母親から注意されると、暴言や暴力をふるうようになりました。
このままではA君が危ないと感じた母親は、パソコンやスマホをA君から取り上げましたが、自宅でオンラインゲームができなくなったA君は、ネットカフェに通い始めるようになりました。
お金がなくてもネットカフェに通い、無銭利用を繰り返したため、A君は逮捕されて少年院に1年間入ることになってしまいました。
これは実際にあったネット依存症の事例の1つです。
重度の依存症になってしまうと、生活だけでなく性格や考え方まで変わってしまい、本人や家族の力だけでは回復することが難しくなるケースもあります。
ネット依存症とは、日常生活に影響をおよぼすほど、インターネットに依存した状態をさします。
以下はネット依存症の典型的な症状の一部と言われています。
インターネットの利用時間を減らすことができなくなった結果、学校へ遅刻するようになったり、急激に学校の成績が下がったりということがあります。
他にも、目的がないのに毎日インターネットを利用している、携帯のメールを何度もチェックしてしまう等、一見そこまで問題がなさそうな行動でも、軽度の依存症が疑われる場合があります。
ネット依存の度合いをはかるチェックリストがいくつか存在しています。
現在、ネット依存症には統一された診断基準は存在しませんが、これらのテストを受けてみることで、「もしかしたら自分は依存症かも?」「子供は依存症になりかけているのではないか?」と気付き、早期に対処できるかもしれません。
※出典:独立行政法人国立病院機構 久里浜医療センター
http://www.kurihama-med.jp/tiar/tiar_07.html
上記は、ネット依存スクリーニングテストの一部です。
該当する項目がある場合、子どもや自分についてネット依存の度合いが気になる場合は、上記URLのリンク先ページから一度チェックをしてみてはいかがでしょうか?
ネット依存症は、軽度であれば本人や家族の努力で回復することができますが、症状の出初めのころは本人や周りでは気付きにくい場合があります。
インターネットへの依存を抑制するために、普段から子供に意識してほしいポイント、子供のネット利用が多くなったときの親の対応として、以下の点に注意することをおすすめします。
インターネット上でのコミュニケーションは楽しいものですが、学校での友人との会話、家族での外出など、インターネットを介さないふれあいを大事にさせましょう。
ただし、ルールを作るだけではなく、きちんと守れているか見守ることが大切です。
インターネットは便利なツールであり、今後ますます利用できるサービスも増えていくでしょう。
依存症が怖いからとインターネットを全く使わない生活を送るのではなく、「インターネットが一番・インターネットがすべて」という生活にならないようにする事が大切です。
自分の生活ペースを崩さないように、インターネットを上手に利用していきましょう。