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ケーススタディで学ぶ インターネット安心安全ガイド

特集記事

不正送金の被害にあわないために

増え続けるネットバンキング不正送金の被害

インターネットバンキングの不正送金被害は、昨年(平成26年)1年間で1,876件、被害額は約29億円と過去最悪を記録しています。

警視庁サイバー犯罪対策課では、主に日本を標的としているとみられるウイルスの感染端末に関する情報を入手し、世界で約8万2,000台、うち国内で約4万4,000台の端末を特定しました。

                    

不正送金の原因と被害

なぜ起こるのか

不正送金の原因の多くは、ウイルスに感染したパソコンを利用したことにより、第三者にIDやパスワードなどの入力情報を不正入手されることです。

ウイルスは日常あなたがインターネット上で見る 様々な場所に潜んでいる可能性があります。

                    

どういう経路でウイルスに感染するのか

ここではウイルスに感染する経路の一部を解説します。

<メールの添付ファイルを使い、被害者本人の手で感染する経路>

メールにウイルスを添付し、その添付ファイルを受信者が自ら開くことで、パソコンにウイルスを感染させます。

<インターネットサイト閲覧による感染経路>

悪意ある第三者によって企業のサイトや一般人のブログなどにウイルスが組み込まれている場合があり、サイトを閲覧しただけで、ウイルスに感染してしまうこともあります。

どのように不正送金されるのか

では、実際はどのように不正送金が行われているのでしょうか。

  • 1. ウイルスに感染したパソコンで、インターネットバンキングへアクセスすると、改ざんされた画面が表示される。(この画面は巧妙に作成されているため、見分けることが難しく、改ざんされたものだと気づきにくい)
  • 改ざんされた画面でIDやパスワードを入力すると、悪意ある第三者に入力情報を取得され、他人の口座へ不正送金されてしまう。

  • 2. 金融機関の正規サイトで振込を行っている最中にウイルスが通信に割り込み、送金先などのデータを改ざんし、不正送金させる。
  • このように、不正送金されていることに気付くのは難しい場合があります。

    不正送金被害にあわないためには、まずウイルスに感染しないことが大切です。

    まずはやっておきたい不正送金被害を防ぐ方法

    インターネットバンキングの不正送金被害を防ぐためには、どのような方法があるのでしょうか?

    以前公開した「ネットバンキングの被害にご注意を」で紹介した対策を、ここでおさらいしてみましょう。

    ウイルス対策ソフトの導入

    インターネットにアクセスするパソコンには、必ずウイルス対策ソフトを導入しましょう。

    ウイルス定義ファイルの更新期限が切れていては、対策は万全とは言えません。

    ウイルス対策ソフトを常に最新に保ち、定期的にスキャンを行いましょう。

    パソコンのOSやアプリケーションを最新の状態にする

    ウイルスは、パソコンのOSやインストールされているアプリケーションのセキュリティホールを狙って侵入します。

    OSやソフトウェアは、常に最新の状態に更新しましょう。

    Windowsでは、セキュリティホール対策に必要な更新プログラムが配布されていますので、定期的にチェックし更新作業を行いましょう(Windows Updateページはこちら)。

                        

    ワンタイムパスワードを利用する

    ウイルスを使用する手口による不正送金被害を防止するためには、携帯電話のメールアドレスやトークン(ワンタイムパスワード生成器)を使ったワンタイムパスワードの利用が効果的です。

    特に、メールにワンタイムパスワードが送信されるシステムの場合には、フリーメール等のメールアドレスではなく、携帯電話のメールアドレスを登録し、携帯電話等でワンタイムパスワードを受信するように設定することが効果的です。

    不正送金被害を防ぐその他の対策

    不正送金の原因はウイルスだけではありません。

    ウイルス対策だけでなく、他にもいくつか自分で行える予防策があります。

    不審なアクセスの遮断

    あなたのパソコンに不審なアクセスがある場合、そこからデータを盗まれる可能性もあります。

    ファイヤーウォール機能などで不審なアクセスを防ぎましょう。

    パスワードを安易なものにしない、定期的に変更する

    安易なパスワード(生年月日や電話番号)は破られやすく、また覚えるのが面倒だからと1つのパスワードを使いまわす行為は、あるサイトでパスワードが盗まれてしまった場合、ほかのサイトへ被害が拡大するなど大変危険です。

    定期的にパスワードを変更していれば、パスワードが盗まれてしまった場合も被害を最小限に食い止めることができる可能性もあります。

    不審なメールを開かない

    メールにウイルスが添付されている場合や、銀行からのメールを装い、 メール内のリンク先に直接IDやパスワードを入力させるパターンがあります。

    IDやパスワードを入力させるメールなどが来た場合は、すぐに入力するのではなく、 まずは銀行のホームページなどで確認を行いましょう。

    メールに記載されたURLやポップアップ広告を信用しない

    金融機関の正規サイトに酷似した偽サイトも存在します。

    金融機関のホームページに見えても、メール内のリンクやリンク先のポップアップ広告を安易に信用してはいけません。

    金融機関が提供するセキュリティ対策を利用する

    各金融機関でもセキュリティ対策を提供しています。

    インターネットバンキングを利用する際は、これらのセキュリティ対策を利用しましょう。

    最後に

    ウイルスは日々進化し、不正送金の手口は日々巧妙化しています。

    最新の注意喚起情報を確認することを怠らないようにしましょう。

    自分たちでできる対策をしっかりと行い、自分の個人情報は自分で守りましょう。

    もしも不正利用の被害にあってしまった場合は、すぐに警察・銀行へ相談しましょう。

    不正送金の被害を防ぐための対策として、当サイトのQ&Aもあわせてご確認ください。

    また、皆様のパソコンや個人情報をウイルスから守るため、@T COM(アットティーコム)では、シマンテックオンラインサービスを提供しております。
    ウェブサイトにアクセスする前にサイトの安全性を評価。ウェブサイト閲覧だけでなく、メールやフェイスブックのリンク先までも事前に安全確認できます。
    1ライセンス3台までご利用いただけます。

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