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パスワードの使いまわしはどうして危険なのか?

実際にパスワードを使いまわしている人は多い

ニュースやネット上の記事などで、「パスワードの使いまわしは危険なことだ」という話はいくつも投稿されているため、そういった話をどこかで見た覚えがある…という人は多いと思います。

しかし、危険だという話を知っている人が多くても、トレンドマイクロの調査ではWebサービス利用者の80%以上の方がパスワードを使いまわしているということが判明しました。
パスワードを使いまわしている人はかなり多いようです。

では、そもそもパスワードの使いまわしは、どのように危険なのでしょうか?

パスワードの使いまわしによる危険と被害

使いまわしている20%は被害にあっている

トレンドマイクロの「パスワードの利用実態調査2023」では、Webサービス利用者の83.3%が複数のサイトでのパスワードの使いまわしを行っていたことがわかりました。
さらに、使いまわしている利用者の20%が、クレジットカードの不正利用や個人情報の流出などの被害にあっています。

アカウントリスト攻撃でより被害が拡大

悪意ある人々が不正入手したIDやパスワードをリスト化し、さまざまな方法で不正ログインしようとすることを【アカウントリスト攻撃】と呼びます。
この攻撃が行われた場合、使いまわしているパスワードが漏洩してしまった人は、複数のサイトに不正ログインされてしまう可能性が高くなってしまい、被害がより拡大してしまうのです。

パスワードを使いまわしてしまう原因と対策

パスワードの使いまわしが危険だということを知っていても、使いまわす人が多いのはなぜでしょうか?

作成と管理が面倒

まずパスワードを使いまわしてしまう理由としては、「複数のパスワードを作成するのも覚えておくのも面倒」というのがあります。
複数のパスワードを作成しても、どのサービスで使用しているものかわからなくなったり、どこかに記録していたのに記録ごとなくしてしまったりすることもあります。
そのため、自分自身で覚えやすいIDやパスワードを作り、複数のサービスで使い回してしまうのです。

パスワードを簡単に作成・管理するためには

複数のパスワードの作成・管理が面倒な場合は、便利なソフトやアプリを利用するのがおすすめです。
パスワード生成ソフトで各サイトごとのパスワードを作成し、管理アプリにパスワードを覚えておいてもらうという方法があります。
また、Webブラウザのパスワード管理機能を利用するのも一つの方法です。
より簡単に、メモ帳アプリに記載して記録するという方法もありますが、不正アクセスによる情報漏洩などですべてが流出する可能性もありますので、利用する場合はロック機能の設定を忘れないようにしましょう。

【紙にパスワードを書いて保存する】という方法を実践している方もいるかと思いますが、こちらはネット上への漏洩の危険性はありませんが、小文字のL( l )と数字の1、のような見分けがつきにくいものを書き間違ってしまったり、メモをどこかに落としてしまう可能性もあるため、作成する場合は注意が必要です。

アカウントリスト攻撃から身を守るために

パスワードの使いまわしが危険なのは、アカウントリスト攻撃にあう可能性が高くなるためです。
このような攻撃による不正ログインを防ぐためには、以下のような対策をおすすめします。

■被害拡大を防ぐために、パスワードを使いまわさず、個別に作成・設定する
■二段階(二要素)認証を利用し、セキュリティレベルを上げる
■メールなどに記載されているURLなどは、アクセス前に調べる
■普段利用しないサイト、文章などに違和感のある怪しいサイトでの個人情報の入力を行わない

最後に

利用するサービスが多い人ほど、各サービスごとのパスワードを作成し、それぞれを管理するのは面倒だと感じることが多いと思います。
しかし、だからといってパスワードを使いまわしてしまうと、もしも漏洩してしまった場合に、不正ログインによる被害が一つのサービスから、利用している他のサービスにまで拡大してしまう恐れがあります。
パスワード生成ソフトやパスワード管理アプリなど、便利な機能はいくつも開発されていますので、これらを活用していきましょう。 個人情報と財産を守るためにも、パスワードは使いまわさないようにしましょう。