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特集記事

もしもApple IDが乗っ取られてしまったら!?

IDの乗っ取り?入力ミス?

「普段利用しているAppleIDにログインできなくなった」 「知らない間に登録情報が書き換えられていた」
このような事態が発生すると、まずはパスワードの入力ミスか、それとも自分で変更したことを忘れていたのかもしれないと考える人が多いと思います。
しかし、もしかしたら自分のAppleIDが乗っ取られてしまった可能性があるかもしれないという考えが浮かぶこともあるでしょう。
その”もしかしたら”が事実だった場合、AppleIDはさまざまなサービスに紐づけされているため、対処が遅れてしまうと大きな被害に繋がる可能性があります。

Apple IDが乗っ取られたら

そもそも、AppleIDはどのようにして乗っ取られてしまうのでしょうか?
乗っ取りの手口にはさまざまな方法がありますが、AppleIDだけ他アカウントの乗っ取りと異なる特別な手口が使われているということはありません。

どうやって乗っ取るのか?

AppleIDが乗っ取られる手口としては、

■偽のSMSからフィッシングサイトへ誘導
宅配便の不在連絡などを装った文面に記載されたリンク先に移動した際に、アカウント情報を入力するように誘導され、情報が盗まれる

■Appleを装ったメールで誘導
公式サイトからの連絡を装ったメールで偽サイトへ誘導し、アカウント情報を入力させる

■利用中のほかサービスから漏れた個人情報を利用
他のサービスから登録していた個人情報が漏洩してしまった場合、IDやパスワードを使いまわしていると、その情報を使ってアカウントが乗っ取られる可能性がある

などが考えられます。

これらは、今までも他のサービスのアカウント乗っ取りや個人情報の詐取で利用されてきていた手口でもあります。

乗っ取られるとどうなるのか

AppleIDが乗っ取られる手口としては、
AppleIDが乗っ取られてしまうと、以下の被害が発生する可能性があります。

・アカウント所有者の個人情報や、連絡先に登録されている関係者情報の流出
・保存しているデータの破壊
・無許可での有料コンテンツの購入、アプリのダウンロード
・AppleIDの転売
・位置情報の特定

上記のような内容だけでもかなりの被害ですが、ここからさらに被害が拡大することも考えられます。
例えば、位置情報を特定できる「iPhoneを探す」機能を使われることで、デバイスの所有者のいる場所、つまり自宅や勤務先住所までもが知られてしまう可能性もあるのです。

乗っ取りに気づくには?

被害を防ぐためには、乗っ取りにどれだけ早く気づくことができるかも重要です。
乗っ取られているかどうかを判断するためには、

■「現在、新しいiPhoneでAppleIDが使用されています」という通知が届いた
普段と違うデバイスでAppleIDを利用すると、「AppleIDが利用されている」という内容の通知が届きます。自分でログインした覚えのない通知が届いたのであれば、第三者があなたのIDに不正ログインしている可能性があります。

■見覚えのない購入履歴やメッセージの送信履歴がある
すでにアカウントが乗っ取られている場合は、有料コンテンツの購入やメッセージの送信を勝手に行われていることもあります。
定期的に購入履歴や送信履歴の確認をしておくと、早い段階で違和感に気づけるかもしれません。

■「AppleIDに登録されている情報が変更されました」という通知が届いた
特に自分で何も変更していないのにこのような通知が届いた場合は、すでに第三者にIDが乗っ取られてしまっているかもしれません。
このままではAppleIDのログインパスワードも変更され、ログインすらできなくなってしまう可能性もあります。

乗っ取られてしまった場合の対処

では、もしも自分のAppleIDが乗っ取られてしまった場合は、どのような方法で取り返すことができるのでしょうか??

■パスワードをリセット・変更する

まだAppleIDにログインできる状態であれば、すぐにパスワードリセットを行いましょう。
その後、今まで設定していたものとはまったく異なるパスワードに変更することで、第三者によるログインを防ぐことができます。

■登録されている名前や連絡先を確認する
AppleIDに登録されている名前や、通知先として登録されているメールアドレスが知らないアドレスに変更されていないかを確認しましょう。
もしも勝手に変更されていた場合は、正しいアドレスを登録し直しましょう。

■ログインできない場合は、Appleサポートに連絡する
すでにパスワードなどが変更され、ログインもできない状態になってしまった場合は、Appleサポートへ連絡しましょう。
さまざまな状況確認のため、購入日や購入店舗の情報、デバイスのシリアル番号などを求められることもあるため、連絡する際は関連書類を集めておきましょう。

最後に

さまざまなサービスに紐付けられているAppleIDが乗っ取られてしまうと、あっという間に被害が拡大してしまうかもしれません。
また、その被害は自分だけでなく、連絡先に登録していた友人や家族を巻き込む可能性もあります。
IDやパスワードの使い回しをしない、SMSやメールに記載されているリンク先で安易に個人情報を入力しないなど、被害を防ぐための基本的な対策を忘れないようにしましょう。
また、アカウントを乗っ取られた可能性が少しでもある場合は、すぐに登録情報やパスワードの確認を行い、被害を拡大させないように行動しましょう。