ネットバンキングの被害にご注意を
今年に入りインターネットバンキングを狙った不正送金の被害が急増しています。
平成25年の被害総額は、8月9日時点で、4億円を超えていることが警察庁のまとめでわかりました。これは過去最悪の平成23年における年間の被害総額を既に上回っております。
また、警視庁によると、利用者のIDやパスワードを盗むウイルスに感染したパソコンが国内で約1万5000台あることも判明しています。
今回の記事では、ネットバンキング不正送金の新手の手口とその対策について紹介していきます。
ウイルス感染による不正送金の被害は、昨年の後半から急激に広まっています。
被害が多い原因は、正規のネットバンキングのサイトへアクセスしたにもかかわらず、不正送金の被害を受けるためです。
どういうことが起きるのか説明しますと、不正なメールやウェブサイトなどからパソコンがウイルスに感染し、その状態で正規のサイトを開いた際に、ウイルスが「アップデートのため」や「異常が発生したため」などとして偽りのログイン画面をポップアップ表示させ、暗証番号などのデータ入力を催促してくるのです。
このケースは、従来のフィッシング詐欺の手口とは異なり、正規サイトにアクセスしている感覚でいるため、入力データが盗まれていることに気づきにくいのが特徴です。
※これまでのフィッシング詐欺は、金融機関に偽装したメールが送られ、そのメールに記載されたURLで偽装サイトに誘導される手口が主流でした。
不正なメールやウェブサイトなどからパソコンがウイルスに感染
(ウイルス感染に気付かずに)
いつも利用しているネットバンキングの正規のサイトへアクセス
ウイルスが偽のポップアップやログインページへ誘導
暗証番号などを入力
犯人がネットバンキングにアクセスし、お金を盗む
上記のように、普段利用しているネットバンキングで、見慣れないポップアップ画面、データを全入力させる画面など、怪しい表示が出たら ウイルスに感染している可能性があります。
まずはウイルス対策ソフトでウイルスの駆除を試みましょう。
IPA(独立行政法人情報処理推進機構)では、Windowsパソコンをシステムの復元で復旧する方法も紹介しています。
もしこのようなケースで、偽りの画面上で暗証番号等の情報を入力してしまったら、すぐに銀行に連絡して口座を止めてもらい、消費生活センターや警察に相談しましょう。
ネットバンキング不正送金の被害は、これまでフィッシングサイトに誘導する手口が主流でした。
今回ご紹介したウイルス感染による被害が急増していることをうけ、警察庁では利用者向けの対策を、以下の通り呼びかけています。
インターネットにアクセスするパソコンには、必ずウイルス対策ソフトを導入しましょう。ウイルス定義ファイルの更新期限が切れていては対策は万全とは言えません。ウイルス対策ソフトを常に最新に保ち、定期的にスキャンを行いましょう。
@T COM(アットティーコム)のウイルス対策ソフトはこちら
ウイルスは、パソコンのOSやインストールされているアプリケーションのぜい弱な部分を狙って侵入します。OSやソフトウェアは、常に最新の状態に更新しましょう。Windowsでは、Windows Updateでセキュリティホール対策に必要な更新プログラムが配布されていますので、定期的にチェックし更新作業を行いましょう。
ウイルスを使用する手口による不正送金被害を防止するためには、携帯電話のメールアドレスやトークン(ワンタイムパスワード生成器)を使ったワンタイムパスワードの利用が効果的です。
特に、メールにワンタイムパスワードが送信されるシステムの場合には、フリーメール等のメールアドレスではなく、携帯電話のメールアドレスを登録し、携帯電話等でワンタイムパスワードを受信するように設定することが効果的です。
インターネットバンキングにログインした際に、不審な入力画面などが表示された場合は、ID・パスワード等を入力せずに金融機関等に通報しましょう。
今回ご紹介したウイルスを使用する手口のほか、フィッシングサイトに誘導する手口にも注意が必要です。当サイトのQ&Aもあわせてご確認ください。